日々の綴り

客殿屋根づくり〜鬼瓦〜

2018.01.2

 

 

客殿瓦葺きも順調に進み、最後に頂上に着けられたのは「鬼瓦」です。

鬼瓦は日本式建築物の棟の端などに設置される板状の瓦の総称です。

鬼の顔以外にもいろいろなデザインの鬼瓦もあります。

鬼瓦の起源は、ギリシャ神話の怪物メドゥーサをシリアのパルミラ遺跡入口の上に厄除けとして設置していたものが、シルクロードを通して中国に伝わり、日本では奈良時代頃に急激に全国へと広がったそうです。

鬼瓦がもつ役割は、主に厄除け・魔除けです。怪物メドゥーサの代わりとなるのが、日本では「鬼」だったのです。

この「鬼」を味方につければ、その形相で厄を払ってくれるという意味が込められています。

その建物に関わる多くの人を守って欲しいという願いを込めて屋根に鬼瓦が付けるようになったのです。

江戸時代には一般民衆の家にも鬼瓦を設置されるようになりました。

しかしその恐ろしい鬼の形相は、外から来る人に対して威嚇しているようであまり印象が良くありませんでした。

そこで鬼の代わりに家族円満のため「七福神」をデザインにしたり、火災防止のため「水」という文字を取り入れたりと、鬼の形相ではない鬼瓦が屋根に付けられるようになったそうです。

 

興教寺は先日紹介した「法輪」の鬼瓦です。

お釈迦様の教えが、お寺に関わる人たちの迷いや苦しみを打ち破り、正しい道へ導いてくださいという願いが込められています。

鬼瓦は本堂にも要所要所に施されています。