日々の綴り

あけましておめでとうございます。

2023.01.1

新春を迎え、皆さまのご多幸とご安寧をお祈り申し上げます。

 新型コロナウィルスに振り回され、何かとストレスをかかえた一年が過ぎました。さて今年はどうか、と期待と不安が交錯します。

 道元禅師様が尊崇する宏智正覚(わんししょうがく)禅師のお言葉に、「一花開きて天下は春なり」があります。春を代表する花は現代では桜ですが、昔は梅であったことは誰でも知っているところです。厳寒の冬がやっと終わりに近づいたある時、庭の梅木の枝に一輪の花を見つけ春の到来を実感する。そんな経験をお持ちの方は多くいられるだろうと思います。普通、私たちはこの世界の片隅に花が咲くと思っていますが、この言葉は、一輪の花が開くことによって、今まで花の咲いていない世界(冬)から、花の咲いた世界(春)が新たに現れたと説いています。道元禅師様もご自身の著書「正法眼蔵」の「梅華」の巻に「老梅樹の忽開華のとき、華開世界起なり」そして「華開世界起の時節、すなはち春到なり」と述べられています。禅師様は、「梅の花が開くということは、単なる個別的な一つの花の出来事でなく、全世界に関わることであり、全世界が春になることである。全世界が梅花であり、普遍的な真理そのものである。」と説かれます。禅師様は、身近な庭先の梅一輪に私たちのいのちの根元(こんげん)をお示しになっているのです。

 本年も道元禅師様のお示しに従い「坐禅」を中心に修行して参ります。坐禅会は十一年目を迎えています。今年は、坐禅会で皆様と共に道元禅師様のお言葉を学んでいこうと考えております。是非ご参加ください。

 例年同様、元旦の三朝祈祷を行い、皆さまの一年の平穏無事をお祈りしました。後日御礼を配布させていてだきます。


皆様のご健康とご多幸を祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。