日々の綴り

あけましておめでとうございます。

2024.01.1

新春を迎え、皆々さまのご多幸とご安寧をお祈り申し上げます。

 新型コロナウィルスの感染も大きく騒がれなくなってきましたが、お檀家さまや身近な人たちの感染の話をまだ多く聞きます。今年はもっと状況が良くなってくれることを心から祈念いたします。

 表題は、道元禅師さまの著書「正法眼蔵」の「海印三昧」の巻にある言葉であります。

この意味は、さまざまなものが相い依り、関係し合って融合しているもの、それがこの身である、ということです。すなわち、この身は常にいろいろなものとの関係の中で成り立っていて実体的なものでない、ということで仏教の最も基本的な「縁起」の考え方であります。

 毎日、私と妻がいただく食事の料理の大部分は、私の娘が作って用意してくれています。有り難いことであります。毎日当たり前のようにいただく食事があって私どもは健康に過ごさせていただいています。私と妻の体は自分自身で作り、維持しているものではないのです。このことから深く、広く考えていくと私たちはいろいろなものとの関係の中に生かされているに過ぎないことに気づきます。さらに縁起の考えに深く到れば、「般若心経」に出てくる「空」のことも分かってくるのです。そして、本堂のご本尊さま、観音様の説かれる「慈悲」の実践に到るのです。

 道元禅師様は食事作法をたいへん大事にされました。その意味は、日常の素朴な振る舞いの中に仏教の一番大切な教えがあることに気づきなさいというお示しと思います。日々の生活が心豊かに過ごせますよう皆様と共に深く仏教を学んで行きたいと思います。

 本年も道元禅師様のお示しになった「坐禅」を中心に修行して参ります。昨年は、坐禅会で皆様と共に「普勧坐禅儀」を学ばさせていただきました。本年も道元禅師様のお言葉を学んでいこうと考えております。是非ご参加ください。

 例年同様、元旦の三朝祈祷を行い、皆さまの一年の平穏無事をお祈りしました。

檀信徒の皆さま、本年もどうか呉々もご尊体ご自愛くださいますようお願い申し上げます。重ねて皆様のご健康とご多幸を祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。

興教寺住職 浅摩昭雄