日々の綴り

はなまつり

2022.04.8

四月八日はお釈迦様の誕生日(降誕会)です。お釈迦様がお生まれになられた時、空から甘露の雨が降ってきたという故事に準えて、誕生仏に甘茶を注ぎお祝いを致します。降誕会は別名「花まつり」と呼びます。これは明治に入ってからのことで、お釈迦様の誕生したルンビニという場所が花園として有名でたくさんの花々が咲き渡っていたことに由来します。また、新暦の四月八日が桜の季節であることが重なりこの名称が普及しました。

興教寺でも、毎年、4月8日近くになると、玄関先に花御堂を用意し誕生仏を安置してお参りいただいております。この誕生仏をよく見ると、右手は天を、左手は地を指しています。なぜなら、お釈迦様は、生まれてすぐに東西南北に七歩ずつ歩き、天地を指差して「天上天下唯我独尊」と唱えたと言われているからです。

「天上天下唯我独尊」と聞くと、「この世の中でただ一人私だけが尊い」という意味で勘違いされがちですが、本来は、「この世のすべてのものが等しく尊い」という意味です。お釈迦様が生涯をかけて伝えて来られたみ教えの尊さを、後の祖師が誕生の伝説として受け継いできたのです。

お釈迦様の様に、日常のありふれた光景《今》を「この世のすべてのものが等しく尊い」という視点で見る景色は、さぞ輝いて映っているのでしょう。

 

 

午後は場所を移して本堂にて降誕会に因み檀信徒の皆様の長寿のお祝いのご祈祷を行いました。

 

はなまつりのリーフレットの表紙を描かせていただきました。

お寺にもまだ残りがありますので、どうぞご自由にお持ち帰りください。