日々の綴り

令和4年 今年もよろしくお願い致します。

2022.01.1

令和四年の新春を迎え、皆さまのご多幸とご安寧をお祈り申し上げます。

恙なく迎えた元旦ではありますが、やはり昨年同様に懸念されますのは新型コロナウィルス感染症の蔓延であります。まだまだ世界中の多くの方々の尊い生命が失われており、その深い悲しみに心閉ざされ、苦しんでおられ方の多いことは真に心が痛みます。

興教寺の朝のお勤めで読む経文に「四弘誓願文(しぐせいがんもん)」があります。

衆生無辺誓願度(しゅじょうむへんせいがんど)

(衆生は無辺なれども誓って度せんことを願う)

煩悩無尽誓願断(ぼんのうむじんせいがんだん)

(煩悩は無尽なれども誓って断ぜんことを願う)

法門無量誓願学(ほうもんむりょうせいがんがく)

(法門は無量なれども誓って学ばんことを願う)

仏道無上誓願成(ぶつどうむじょうせいがんじょう)

(仏道は無上なれども誓って成ぜんことを願う)

最初は、「衆生無辺誓願度」であります。衆生とは、生きとし生けるものです。生きとし生けるものは無辺にあり、限りがありません。その限りない生命の苦しみを救っていこうという願いであります。この願いもかなえられることはないでしょう。それでも、ただひたすら願い続けようというのであります。

四弘誓願文は、生きとし生けるものを救おうという誓いを第一にして、自分の心の本性を明らかにして煩悩の根を断つことに努め、教えをより広く、より深く学ぶことによって、慈悲と智慧に満ちた仏道を歩むことを誓い願う経文であります。

興教寺において、「四弘誓願文」を唱えることは、お檀家の皆様と共に多くの方々の悩みや苦しみを救いたいと願うからであります。

まだまだ安心できないコロナ禍の状況においては、私たちは自分一人のことだけを考えるのではなく、より多くの人々と共に支え合い、励まし合わなければなりません。そうすることが自分自身を救うことになるのです。私たちはウイルスによって、「衆生無辺誓願度」の願いの大切さを実感させられているように思われます。

興教寺におきましては例年同様、元旦の三朝祈祷を行い、皆さまの一年の平穏無事をお祈りします。檀信徒の皆さま、どうか呉々もご尊体ご自愛くださいますようお願い申し上げます。重ねて皆様のご健康とご多幸を祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。

 

興教寺住職
浅摩昭雄