日々の綴り

坐禅の作法

2020.04.6

これより坐禅をする際に必要な作法について紹介します。

ご自宅で行う場合は、坐蒲のような少し高さのあるクッションをご用意下さい。

座布団を二つ折にして代用しても構いません。

椅子に坐って行う場合も座布団を敷いたりして、

40分程度坐れるように工夫してみましょう。

 

三進退

これは、「合掌」、「叉手」、「法界定印」

以上の三つの基本的な作法のことです。

 

合掌

挨拶や敬意を表する時に使います。

両手のひらを顔の前で合わせ、指と指をくっつけます。

合掌は鼻の高さ。

顔と手の距離は拳ひとつ分に合わせます。

軽く肘を貼ります。

 

叉手

堂内を歩く時に使います。

左手の親指を握り込みみぞおちに当てます。

次に左手に右手を被せ、左手のくぼみの部分に右手の親指を乗せます。

軽く肘を貼ります。

 

 

 

法界定印

右手が下、左手が上になるように指と指を重ね

親指をそっとくっつけます。

前から見た時に綺麗な卵型になるように致します。

体を伝って下におろし、1番落ち着くところに置きます。

軽く肘を貼ります。

 

この三つの作法は修行道場の基本作法です。

 

坐禅の始まりの挨拶

坐禅の始める際の挨拶について紹介します。

 

 

隣位問訊(りんいもんじん)

坐る両隣の方への挨拶です。

自分の坐る位置に着いたら、その場所に向かって合掌(がっしょう)低頭(ていず)します。

両隣に当たる二人はこれを受けて合掌します。

 

 

対坐問訊(たいざもんじん)

坐る向かいの人への挨拶です。隣位問訊(りんいもんじん)をしたら、

合掌(がっしょう)のまま右回りをして向かいに坐っている人に合掌(がっしょう)低頭(ていず)します。

向かい側の人は、これを受けて合掌します。

※曹洞宗の坐禅は「面壁(めんぺき)」といって、壁を向いて坐禅をします。

挨拶が終わったら壁を向いて足を組んでいきましょう。

 

 

 

足を組む

足の組み方には二通りございます。結跏趺坐(けっかふざ)と、半跏趺坐(はんかふざ)です。

 

 結跏趺坐(けっかふざ)

両足を組む坐り方です。右の足を左の股の上に深くのせ、次に左の足を右の股の上にのせます。(逆でもよい)

 

半跏趺坐(はんかふざ)

片足を組む坐り方です。左の足を右の股の上に深くのせ、右の足を左の股の下に深くいれます。(逆でもよい)

※人により個人差がございますので、工夫しながら長く座れる形を見つけましょう。

椅子坐禅の場合は、クッションなどを下に敷き、背もたれから少し離れて坐りましょう。

 

 

坐蒲を調節する

坐蒲をお尻の下にくさびを打つように滑り込ませ、腰骨が坐蒲の中心に来るように調節します。両膝と腰骨の3点で体を支えられるように確認します。

 

欠気一息(かんきいっそく)

坐禅の姿勢が調ったら、静かに大きく深呼吸をします。

上体を倒しながら少しづつ息を吐き、吐ききったら静かにゆっくりと上体を起こしながら自然と息を吸い込んで行きます。

身体の中の空気を入れ替えていくかのように2〜3度行い、後は鼻からの呼吸にまかせます。

 

 左右揺身(さゆうようしん)

両掌を上にして膝の上に置きます。上体を振り子のように左右へ、始め大きく徐々に小さく揺すりながら、左右どちらにも傾かない位置で静止し、坐相(ざそう)をまっすぐに正しく落ちつかせます。

 

 

坐相を調える

背筋をまっすぐにのばし、頭のてっぺんで天井を突き上げるようにしてあごをひき、両肩の力をぬきます。

耳と肩、鼻とおへそとが垂直になるようにして、前後左右に傾かないようにします。

 

手を組む

坐禅の時の、手の組み方です。両掌を上にし、右手の指の上に左の指がくるように指と指を重ね合わせます。次に、両手の親指を自然に合わせます。この時、綺麗な卵型になるようにしましょう。また、両手の親指はかすかに接触させ、力を入れて押しつけたり、離したりしないようにします。この手の形を法界定印(ほっかいじょういん)といいます。組み合わせた手は、足がぶつかるところにつけ、腕と胸の間をはなして楽な形にします。

視線

目は、見開かず細めず自然に開き、視線はおよそ1メートル前方、約45度の角度におとします。目をつむると眠気を誘うので、目は閉じないようにします。

 

呼吸

呼吸は、鼻から吸い鼻から吐き出します。この時、丹田(へそ下およそ9センチメートル)に意識をおき、深い呼吸を意識します。さまざまな思いにとらわれないことです。坐禅中はこの呼吸に集中するとよいでしょう。

 

坐禅の鐘

止静(しじょう)

坐禅の始まりを示す鐘が3声鳴ります。これを止静といいます。

 

 

放禅鐘(ほうぜんしょう)

坐禅の終わりを示す鐘が1声鳴ります。これ放禅鐘といいます。

 

坐禅の終わり方

初めは上半身から解いていきます。両掌を膝の上に乗せ、左右揺身をします。終わりの左右揺身は、最初とは逆で、最初はふり幅を小さく、徐々に大きくしていき上半身の緊張をほぐしていきます。その後、足をゆっくり解いていきます。

 

坐蒲の形を整える

膝立ちになり、坐蒲を上から揉んでいきます。最初と同じように丸く形が整うようにします。

 

 

坐禅の終わりの挨拶をする。

 

最初と同様に、隣位問訊、対坐問訊をします。

 

まとめ

以上が坐禅のやり方です。坐禅中は自分自身の内側を見つめていきます。

心の器であるこの身を感じる時、私自身も常に変化し続けていることに気づきます。

この「諸行無常」を身をもって捉えることが、

瞬間瞬間、生かされている今を安らかに生きる上でとても大切なことです。

まずは自分の中で何が起きているのか見つめてみましょう。

生きるヒントがそこに隠されているのです。

作法も様々ありますので、興味がありましたら研究してみてください。

 

撮影協力

モデル:山岡若菜さん(ヨガインストラクター)

カメラマン:秋野真吾さん(Webデザイナー)